2012年 11月

▲6歳7ヵ月の女の子(1歳7ヵ月入所 公立保育所移譲後2年保育) 好間保育所
 (福島県いわき市好間町上好間字馬場前19−3  TEL:0246−36−2342 所長 小野 正子)
 公立保育所の移譲を受けて2年が経ちました。3月11日、東日本大震災で「いわき市」の人たちは家族を失い家を失った人たちもいました。そして追い討ちをかけるように、東京電力第一原子力発電所の事故が起きました。子どもたちは家族と共に県外県北へと避難し、保育所の生活は失くなってしまいました。描いた絵に色を塗り完成することの出来なかった子どもたちもいました。子どもたちに不穏でない平和な世の中をと切に願います。
 この子は1歳で入所。移譲後、保育所でも家でもそれまでのテレビ・ゲームから離れ、4歳、5歳と「さくら・さくらんぼのリズム遊び」を大事にしました。外遊びで充分な砂や土遊びをし、山登り散歩では基地づくり等自然豊かな体験をする中で体も心も育ち、絵本の読み聞かせも集中して聞けるようになりました。年長児前期は自分の主張が強く相手の話を聞けませんでしたが、仲間と話し合いを重ねる中で、いろいろな考えがあることに気づきました。
 竹登り、縄跳び、竹馬、側転、跳び箱等、ねばり強く頑張ってやり遂げる楽しさや喜びを感じ取って卒所しました。卒所式は1 ヵ月余の空白があり、異例の翌年度4月24日(日) でした。原発事故を逃れ、北海道の小学校に入学した子どもも母親と駆けつけて、20人全員が参加できました。
 この絵は『錦のなかの仙女』のお話の絵で、錦の織物が風に吹かれて山の上にとんでいってしまう様子を描いています。