2017年 2月

▲6歳2ヵ月の男の子(2年11ヵ月保育)
川登保育園(島根県益田市川登町732−1 TEL 0856−28−1067 園長 山口 真)

 山に囲まれた静かな場所にある認可保育園(1980年設立)です。夏には近くの川に毎日のように泳ぎに行き、一年中泥んこや山斜面で遊んでいます。長年学び続け毎日しているリズムあそびについては、園で近年「リズムあそびを取り入れた保育」ではなく「ヒトから人間への進化の歴史から考案されたリズムあそびを中心に据えた保育」をしていこうと確認し合っています。
 この子は、3歳4ヵ月で入園しました。卵・牛乳アレルギーでの除去した代用食も5歳半には必要なくなり、細い身体でしたが何でも食べよく遊びました。自信のなさからか、ふざけが年長期まで見られました。新卒の男性保育士が3年間持ち上がり、子どもたちの気持ちや身体の育ちをよく見て保育し、この子は7人の仲間と共に自信をもって卒園しました。園長や担任、母親の読み語る「絵のない昔話」を好み「大きくなったら昔話を語る人になりたい」と言いました。跳び箱タテ5段の踏み板を遠く離して跳ぶ姿は、クラスの憧れになりました。
 卒園時には「これまで私たち両親は、そのときの子どもに必要な育ちなどは全く考えることなく、ただただ子どもを早く大人にしようとしていたのだと気づきました。川登保育園と出会い、子どもをちゃんと子どもに返してやることができました。先取りばかりで、親も子も“今”を生きていなかったに違いありません」と母親が自らの子育てを振り返り話してくれました。
 この絵は、日御碕灯台に昇った後、経島(ふみしま)のウミネコに餌をやっていたら、手に持っていた餌をトンビに奪い取られた実体験を描いたものです。