2018年 5月

▲6歳9ヵ月の男の子(4年8ヵ月保育)
たんぽぽ保育園(広島県福山市日吉台2丁目11−15 TEL 084−943−1052  園長 武田 妙弥)


 認可となって38年。旧園舎は東向き、北側に園庭というつくりで南の日当りのいい乳児室が園舎の一番奥にあり、子どもたちが自由に園庭へ出ていくことができませんでした。2015年に念願の南向きで乳児が自由に園庭に出ていける開放的な新園舎が完成しました。定員が90人から120人となり職員も増えましたが「どの子も育つ保育」を目指して職員間の連携を図っています。
 この年の年長児は17人で、2歳児までの入園が多く、保育歴の長い子どもたちでした。小さい頃から「食べる・遊ぶ・描く」ことを満足するまで楽しむ生活を大切にし、勢いのある子どもたちに育っていきました。年長児になり、膨らんだ憧れを胸に、新たな課題へ意欲的に取り組むものの、当初は自分中心な思いが強く、仲間のことまでは考えられなかった集団でした。小さい子のために、築山の土上げをしたり、大好きなクッキングで全クラスにおやつを作りました。また、どんな些細なことも17人で考え、生活を作ることを1年間大切に取り組んだことで、仲間と共に働く喜びを感じられる、優しい子どもたちに育ちました。
 この子は、父の転勤が多く、転園3ヵ所目で1歳9ヵ月の時に入園。親戚は近くにおらず、夫婦2人の子育てでした。年長になって父の転勤が決まり、母は悩みましたが「たんぽぽで卒園させたい」と母子生活が始まりました。助け合いながら、家族の一員として共に生きるこの子の姿を見て母もたくましくなり、またクラスの親集団が母と子を支え、仲間の中で育ち合いました。自分の思いを伝えることが苦手な子でしたが、大好きな絵を通して思いを膨らませ、また年長後半期のリズムあそびが大好きでどんどん自信をつけ、しっかり自己主張ができる子に育ちました。
 この絵の上半分は山でそりすべりをしたり魚釣りをしたりしているところ、下半分は小人の世界(空想画)を描いています。