2020年 8月

▲6歳9ヵ月の男の子(6年保育)
恵の実保育園
(愛知県豊川市市田町原山97、98番地 TEL 0533-65-9803 園長 尾崎 恵理子)

 1992年、豊川市で3人の母親が共同保育グループを始めました。2年後にはプレハブ小屋を改築して認可外の保育園を始め、2010年に認可保育園(定員60人)となりました。児童発達支援事業(定員10人)を併設し、発達に弱さをもつ子どもも含め、0歳児から学童・大人まで、共に育ち合う共同の子育てを目指して保育をしています。
 この年の年長児は18人。この子は9ヵ月で入園し、賢くやさしい子でしたが、クラスの中ではおとなしく目立たない子でした。跳び箱を跳べないと泣いてしまうところがありましたが、6歳になった9月頃から「自分もリーダーをやってみたい」と言い始め、仲間たちの励ましもあり、リレーのリーダーをすることになりました。仲間を集めてどうしたら勝てるか相談し、休みの日に集まろうとみんなに声をかけるなど自分から行動する中で、だんだん声も大きく、表情も明るくなりました。友だちや大人に対しても言いたいことを言うようになり、仲間に認められたことが自信につながりました。
 合宿の泊りが苦手でしたが、リーダーをした頃からは自分から仲間の家に泊りに行ったり、2月の節分会の時には「みんなの前で喋る時に声が小さくなっちゃうもんで大きな声で喋れるようになりたい」と仲間の前で話す姿など、仲間に憧れ「こうありたい自分」へ近づこうと葛藤する姿には6歳の力を感じました。卒園式では、大勢の人が見ている中でも臆することなく、跳び箱の踏み板をいっぱい離して粘り強く挑戦し、最後には跳びきった姿に仲間も大人も驚かされました。
 この子は絵を描くことが大好きで『スーホの白い馬』の読み聞かせを聞いて、白い馬が風をきって駆け抜けていくところを描きました。