2000年7月

6歳3ヵ月の男の子(3年保育)──山の子保育園 園長 馬淵 真由実
  0歳から学童期の子ども達まで自然にまみれ、仲間の中で育ち合う、そんな保育がしたいと9年前に保育園を作りました。自宅の一室からはじめ、今はプレハブの園舎を借りて保育をおこなっています。
  これまで私たちは、ホールが狭いという理由で自園で卒園式をしたことがありませんでした。「一人の卒園児でも、自分たちでこの保育園から送りだそう、工夫すればできる」という親たちを含む大人集団の想いで素敵な祝いの日を創り上げることができました。ホールを菜の花でいっぱいにし、この子の絵や創作物を飾り、「一人っていいな」と羨まれるほど心に残るものでした。
  たとえ卒園児がひとりでも、交流保育をする多くの園の仲間や子育てに力を合わせる大人集団がいれば子どもは育つということにあらためて気づかされました。
  この絵は、「卒園したらお父さんとふたつの山を越えて海を見に行くよ」と描いたものです。「木も一本一本色が違うとばい」と言いながら大切にぬりあげました。