2004年12月

▲6歳5ヵ月の男の子(3年10ヵ月保育)
山の子共同保育園(和歌山市那賀郡粉河町北長田546
0736-73-6456 園長 嘉摩尻 智美)
 紀の川を挟んで南北に山を望む、開園13年目の無認可共同保育園。5年前の園児減少による廃園の危機以来、“みんなで担う保育園”をめざしてきた。
 この子は2歳9ヵ月入園。当初は水・土にもさわれず、終日一人で“闘いごっこ”をしていた。新しい事や変化を嫌う子だったが、家庭ではテレビをやめて早寝早起きに徹した。園では山々を歩いてワラビ・筍・山いちご・スカンポ・あけびを探し、背負って帰ったたきぎで焼芋をして山の生活を楽しんだ。子ども集団の中でぶつかりながらもよく遊ぶうち、みんなの中で認められ変化を受け入れる心の太さも育ってきた。
 卒園期の「6人全員で一斉にコマを回せたら世界で1つの手作りコマを作ろう」という取り組みでは、長い間揃って回せず一度は断念しかけたがあきらめずに再度挑戦し、みんなで気持ちを合わせる大事さとやりとげる喜びを経験した。
 この絵は、アンデルセン原作『みにくいあひるの子』を読んだ後、あひるの子が実は美しい白鳥であったと知った時の誇り高き姿を描いている。