2006年6月



   
5歳6ヵ月   5歳9ヵ月   6歳5ヵ月


6歳5ヵ月の男の子(1年保育)
もみの木保育園
岡山県岡山市足守2389  電話:086−295−0342  園長:森田幸子


 5人兄弟の4番目の男の子。
  1歳9ヵ月の時、重度自閉症の兄(4歳上)が通う療育園の指導員の助言を得て、発達相談を受けました。『多動性障害(多動・注意散漫・指示が入らない)』と診断され、2歳5ヵ月の時障害児通園施設に入園。4歳5ヵ月の時『軽度知的障害』と診断され、幼稚園に入園。月2回療育訓練へ通いました。5歳2ヵ月の時、右目1.0のみでみている弱視とわかり、眼鏡をかけました。(5歳6ヵ月の時、矯正して左目0.7になる)。
  「この子は幼稚園では、みんながやることはしない。家で誘っても「おこらないで」とポロポロ泣く。「しない」と言うと、もう手をつけられない。TV・ビデオの内容の独り言を言っている。わが子とどう関わればいいのかわからない」と父母は途方にくれて、5歳5ヵ月の時入園しました。
  入園したてのこの子も、外あそびが好きになり、樹々の下でクモやアメンボウを見つけては、夢中で興じる姿は、子どもらしく素晴らしいものでした。かたや生活面は大変で、青白い顔で登園してきて朝は動けない。給食は極端な野菜嫌いで食は進まない。お迎えの車に乗った途端パンをかじっている姿も見受けました。朝から楽しく遊べる身体になるよう、生活改善(朝6時起床、夜8時就寝・野菜好きになる食生活など)を家庭でも協力してもらいました。園では、こんにゃく作り・お好み焼・炊とんなどつくって食べる喜びも大事にし、何でも食べられるようになりました。夏頃には身体を動かす元気さも出てくると、雑巾がけ・逆立ち・タイヤとび・スキップも出来るようになり、友達と遊ぶのも楽しくなりました。
  保育園でも家庭でも何をする時にも、この子のペースを大事に取り組みました。卒園期には水彩画に集中し、この絵は続けて描きたいと家にまで持ち帰って描いた『黄金のかもしか』のお話しの中の少年がかもしかを助けるところです。