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前進座「龍の子太郎」を開催して

文化活動を通して子どもたちに勇気と元気を届けたい

事務局 宮城県 さくら保育園 武川

今回の東日本大震災は、甚大な被害をもたらし、多くの方の尊い命を奪いました。親を亡くしたり家を流されたりなど、幼い子ども達にも大きな爪痕を残しました。なかでも福島県内の子ども達は、原発事故による放射能汚染のため、今もって屋外に出られず、室内での活動を余儀なくされている状態です。
このたび、全国の姉妹園の皆様から沢山の励ましの言葉、物資、義援金を頂戴しました。この義援金を文化活動に充て、被災した子ども達に勇気と元気を届け、少しでも笑顔を取り戻してもらいたいと思い、公演の開催を5月はじめの園長会で決定しました。開催まで1ヵ月余りしかないなかで、沿岸部へのバスの送迎を快く引き受けて下さったお父さん方、短大のボランティア、各園の保護者の皆さん、避難所回りをしていただいた皆さんのお力添えや、“このような企画に感謝します”など被災地の皆さんからの言葉に励まされ進めてきました。おかげさまで宮城県会場は、ほぼ800席が、また岩手県会場は400席が埋まり大盛況でした。「がんばっぺ」の太郎の最後の言葉に熱いものが込み上げ、来場した皆さんと感動を共有し、私達も目的に向かって気持ちをひとつにし「やってよかった」という思いでいっぱいになりました。
公演をご覧になった皆さんからたくさんの感想を戴きました。その一部を添えさせていただきます。

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東北地区保育実践交流会主催で6月に開催された劇団「前進座」公演「龍の子太郎」を観賞されたみなさまから寄せられた感想文を一部紹介します。

前進座「龍の子太郎」宮城・岩手公演 の 感想

保育実践交流会ニュース(2011年6月東北ブロック)

・とても楽しめました。元気をもらい笑顔になりました。子どもと一緒に声を出して笑えました。

・大がかりな舞台劇を観ることが出来て本当に良かったです。石巻はほとんどのホールが震災でやられ、今後このような文化活動に接することが難しくなります。バスで送迎して頂けてありがたかったです。お世話になりました。子ども達も遠足気分で大喜びでした。
・久しぶりに親子で楽しい時間を過ごせました。太郎のようにたくましい子に育ってほしいと思います。
・長野県からのボランティアに参加させていただいています。先日ラジオで公演のことを知り、地元の方たちと観させていただきたいと思い、あつかましく便乗させていただきました。今回の催しで子どもさん達、お母さん、お父さんも元気になられたら良いなと感激いたしました。

・スタッフのみなさんご苦労様でした。気仙沼まで送迎バスを用意して頂き、また御父兄さんの運転はとても感じが良く、常日頃の円満さが伝わりました。演劇に関しては、音響、照明、衣装、小道具、とても良かったです。最後の「みなでガンバロー」のメッセージはとても嬉しく思いました。この公演にあたり、前準備から大変だったと思います。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。

・龍の子太郎からいっぱい元気をもらいました。「皆でガンバッペ」。一粒は千粒に、二粒は万粒に・・・一歩一歩がんばります。ありがとうございました。

・ご招待頂きありがとうございました。自分たち一人ひとりこれから前進していく力をいただいたような気がします。感動しました。

・龍の子太郎の劇をみてとっても楽しかったです。またいつかあって劇をみたいと思いました。

・2年生の孫と一緒に見させていただきました。震災から3ヵ月、気仙沼は大変な被害をうけてこれからのことを考えると暗い毎日でしたが、龍の子太郎を見せていただき、明るい気持ちになれました。ありがとうございました。送迎バスも出していただき本当に助かりました。

・今回、ご招待いただき本当に心より感謝申し上げます。まさかの震災から3ヵ月(だいぶ良くなったところもありますが)今でも行方不明やガレキの山、避難所生活、仕事もない車もない等…。そんな中復興に向け毎日、自分なりに頑張っていて、いっぱいいっぱいのところもあった毎日に、今日の「龍の子太郎」から 自分にできることを精一杯やる勇気 をあらためて頂きました。とっても悲しく辛い事もありますが、人と人とのつながり、あたたかい絆を日々感謝です。明日からの生活に活力をいただきました。運営の保育園の先生方、保護者の皆様、スタッフの皆様、企画の進行本当にお疲れ様でした。そして前進座のお一人お一人の力強い演技ありがとうございます。皆様もお体大切になさってくださいね。私も頑張ります。皆様のご活躍も応援しております。本当にありがとうございました。

・今回の「龍の子太郎」が、全国から寄せられた心のこもった義援金によって子どもにプレゼントされたと聞いて本当に感動しました。劇はとても迫力があり、親も子どももドキドキしたり笑ったりと目が離せませんでした。また、子ども達は劇を観ている時、そわそわしたり、悲しかったり、こわかったりすると、親の手を「ギュッ」とつかんだり、目をふさいだり、泣くのを我慢しながらも席を離れないでじっと座っている子どもがほとんどだったので感心しました。最後の龍の子太郎と人間の姿に戻った「たつ」が抱き合うシーンでは、親も子も心がジーンとしてしまいました。

・最初の歌声で鳥肌が立ち、あーやっぱり生はよいなと思いました。ストーリーも前向きで子ども達も何ごともあきらめずに立ち向かう勇気とか、お母さん、仲間を思いやる気持ち、いろんな人たちに支えられて生きていけるということに気付いてくれるといいなと思いながら見ていました。お母さんを思う気持ちは大人になっても変わらないものだと改めて思いました。

・素敵なお話でした。感動して涙がでました。だいたいのあらすじはわかっていましたが、実際に劇をみて物語をきいてみて、自分が龍の子太郎だったら、こんなに強い気持ちを持てただろうか。わが子にもこんな強い気持ちがあるだろうかと考えさせられました。また困っている人を助けてあげる思いやりや優しさの大切さも子ども達に伝わったのではないでしょうか?何かと暗くなりがちですが、劇をみて笑いの絶えない時間を過ごせてとても良かったです。

・震災後の今、何が必要か、思いはどうあるべきか考えさせられました。内容が今この時期にぴったりで、多くの方に見ていただくことができ嬉しいですね。最後の「がんばっぺ」に涙がこぼれました。

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