2010年 9月

▲6歳10ヵ月の男の子(6年7ヵ月保育) 高取保育園
(福岡県大牟田市大字歴木4−32 TEL:0944−56−5240 園長 早川 由美子)
 福岡県の県南に位置する保育園。院内保育所9年を経て、認可を受け30年目を迎えました。超高齢化社会が進行している当市では、少子化の波は避けがたく、2008年度の入園状況は大幅な定員割れという大変厳しいものでした。その中で行なった開園30周年記念事業では、卒園児やかつての保護者が多数集い、現役の保護者と一緒に取り組む中で、当園の歩みを振り返り、あらためてヒトが人間になる大切さを深く感じることができました。そのことが新たな活力を生み「園に来ると、安心できる」「子育ての喜び、不安や悩みを話せる」場として歩みを進めています。
  今年の年長児は11人の集団でした。半数以上が第1子で、食も細く、寝つきが悪く、体力なく不安感の強い子が多いクラスでした。毎日の生活では3階建ての園舎の階段を生かしたリズム遊びを中心に、思い切り体を動かし遊びこみ、お腹をすかせた後は野菜たっぷりの給食を食べ、ぐっすり眠ることを大切にしてきました。畑作りでは、勾配のある道を通っての水やりや草取りを仲間とともに取り組んできました。身体を動かすことが心地よくなった秋以降、リズム遊びや絵を描く姿に真剣さが出てきました。
  この子は3ヵ月半で入園。母親は19歳で出産。0歳児の時は30分も眠れずよく泣いていました。母親は、「どう育てていいのかわからない」と素直に話し、食べること、寝ること、遊ぶことの大切さを保育園で一つずつ学んで頑張ってきました。不安げに泣くことの多かったこの子も、交流合宿保育の中でリズム遊びが大好きになり自信をつけていきました。今この子は、園の卒園生の保護者たちが創設し自主運営している学童保育所に元気に通っています。この絵は、熊本市にある園に4園の仲間が集い交流したときの絵です。