2010年 12月

▲6歳の女の子(5年9ヵ月保育) 錦保育園
(宮城県登米市迫町佐沼字錦132−2 TEL:0220−22−2647 園長 一村 則廣)
 錦保育園は宮城県北部の白鳥の飛来する迫川の近くにあります。交通量の多い道路に面しているため、自然を求めての徒歩での散歩が難しく、現在は2台のバスで、20分から30分の所へ散歩に出かけ、斜面を使って鬼ごっこをしたり、カエル・カナヘビ・ザリガニを捕まえたり、流れのある川で水遊びを楽しんだりしています。
  年長児のクラスは20人で第1子が多く、一人親家庭が約半数を占めていました。年長での1年は、特に子どもも親も集団の力で育ちあうということを大切にしてきました。なかでも子どもたちは、雑巾縫い、縄跳びあみ、跳び箱等の年長の課題をやりきることで、“自分だけできればいいのではなく、みんなができることが素敵なんだ”ということを学び、仲間のことを自分のことのように喜び合える集団になりました。
  親集団は、役員の親を中心にクラスの学習会や行事を毎月開き、子どもの成長を親に伝えることで、初めての子育てに不安だった親が口を開いて自ら話し、同じ悩みを持つ親同士の関わりが持てるようになりました。自分の子育てに少し自信が持てるようになると、我が子だけでなく周りの子どもの変化にも気づくようになり、子どもたちの成長を喜びあうことができるようになりました。
  この子は生後3ヵ月で入園。入園当初は、表情が乏しく発達がゆっくりで、人見知りをほとんどしない赤ちゃんでした。母親が保育士で、家族の協力も得ることができたので、無理をさせずあせらず、この子のペースで家庭でも生活することができました。特にお話が大好きだったこの子に、祖父はあきるまでお話を読んでくれていたと母親が話していました。
  年長後半まで、集団の中で自分を出しきれず表情がくもることもありましたが、卒園期には自分の思いを言葉でしっかり表現し、弱さを持った子に気づかうことができる子に育ちました。この絵は『森は生きている』のお話を描きました。