2014年 10月

▲6歳男の子(4年保育) いわきさくらんぼ保育園
 (福島県いわき市鹿島町下蔵持字沢目20−1 0246−58−5616 園長 櫛田 啓子)


 無認可7年、認可19年を経て、26年目になる保育園です。
 今年度も昨年に続き、年長児の活動は低線量地を探しながらの活動になりました。例年の郡山市での運動会合宿は、父母の不安もあり宮城県で行われました。また、いわき市で行われていた海浜合宿での地引網も海に入ることもできないため、西会津での沢登りや魚つかみなどの体験合宿となりました。父母との話し合いを重ねて、遠方に行くことにより放射線の不安は軽減されました。経済的な負担は大きくなりましたが、父母の熱い思いに私たち職員も後押しされ、子どもたちも豊かな体験ができた1年となりました。
 この子は一人っ子で、2歳児からの入所です。4歳児クラスまで食が細く、自己主張することが少なく周囲をうかがいながらおどおどしている子でした。また、2歳の頃から魚の骨や恐竜の図鑑を見る機会が多かったため、魚の骨の絵は何枚も描くけれど家族や仲間の絵は描かず、散歩に行くと虫の名前は知っていても実際にはさわれず怖がっていました。保育園との話し合いを重ねる中で、震災もきっかけとなり、母親は図鑑を片づけ、食生活を含めた環境を我が子のためにと変えていきました。年長の後半になり、食欲も出てきて表情や仲間との関わりが変ってくると、課題等の取り組みも意欲的になり、自信がついてきました。
 この絵は『金のにわとり』のお話を聞いた後に描きました。