2015年 12月

▲6歳3ヵ月の女の子(5年7ヵ月保育)
わかたけ保育園(島根県松江市八幡町263−12 0852−37−0200 園長 竹内 多寿子)


 松江市の外れに位置し周りは田園の広がる、開園42年目の認可保育園(定員90名)です。開園当初より子どもたちは裸足で遊び、天気が良ければほとんど散歩、そして地下水を利用しての泥んこ遊びを大切にしていました。乳幼児期は、大地に根を張った太い幹を育てる時期、子どもたちに豊かな体験を通して心も体もしっかりと育てたいと保育していました。そんな中「さくら・さくらんぼ保育」に出会い、自分たちの保育をもう一度見つめ直す転機となりました。
 この子は第1子で、6ヵ月で入園しました。小さい頃から芯の強い優しい子でしたが、色々な場面で一歩引いてしまうところがありました。そこで、日々の保育の中での小さな自信の積み重ねを大切にしながら、遊びや散歩、リズム遊びでしっかりと身体づくりをしてきました。
 3歳児クラスから支援を必要とする子も加わり22人のクラスとなり、担任(3人)もガラリと代わりました。環境の変化に敏感な子どもたちは大人への試し行動はもちろんのこと、いったん喧嘩になるとすさまじいものでした。「子どもは子ども集団の中で育つ」という思いを大切に、子どもたちを信じて保育を積み重ねてきました。
 年長後半期になると、問題が起きても自分たちで話し合い解決できるようになりました。この子も表情が変わり、運動会の取り組みでは、登り棒も夕方遅くまでお母さんに待ってもらい黙々と練習し、当日は「私できるけん、見ててよ」と自信をもってやり遂げました。
 この絵は『モチモチの木』のお話を聞いて、豆太の本当の勇気に感動し集中して描き上げたものです。