2019年 2月

▲6歳3ヵ月の男の子(2年8ヵ月保育)
たけのこ保育園
(静岡県島田市岸1498 TEL 0547−35−0066 園長 橋 佳野)
 無認可28年を経て、認可16年目を迎えた保育園です。豊かな自然の中で、身体や五感をめいっぱい使い遊びきることを大切にしながら保育しています。2019年4月には移転し新園舎でのスタートとなります。
 この年の年長は、男児2人、女児3人の仲間でした。年長から受け持った担任は、田植えやキャンプ、ヤマメつかみ等ダイナミックな体験活動を通し、子どもたちと仲良くなることを大切にしてきました。
 この子はもともと幼稚園に入っていましたが、仲間に入れない、言葉がなかなか出てこないことを両親が心配し、3歳7ヵ月で転園してきました。その後も落ち着きがなく、こだわりが強かったため大人の支えが必要で、4歳には担任の他にもう一人保育士を配置し、この子の気持ちを汲み取り、仲間との間を取り持つよう配慮しました。その頃から安心して他の子と一緒に遊べる姿が少しずつ見えてきました。
 年長期の交流合宿でもまだ大泣きする姿があり、東海地区の保育者集団でも「この子にとって必要なことは何か」を話し合いながら保育してきました。市の発達支援センターに相談していましたが、5歳11ヵ月で「自閉症スペクトラム」と診断されました。
 12月、東海地区の5歳児部会の中で“朝一番に外で思いっきり遊ぶことの大切さ”を学び、登園したらまず身体を動かすように配慮し、外でしっぽ取り、缶けり、氷オニ等の集団遊びをしていきました。寒い中、どの子も汗びっしょりになりながら顔を真っ赤にして走り回り、「あー楽しかった!」と言いながらその後の当番活動にサッと取り組むなど、生活にメリハリがついてきました。その頃からこの子も思いを言葉で伝えられるようになり、卒園前には跳び箱を仲間同士で教え合い、さらに絆も深まり、堂々とした姿で卒園していきました。
 この絵は、卒園旅行で行った安曇野で、たくさんの白鳥に出会った感動を描き上げました。