1999年12月

6歳8ヵ月の女の子(3年保育)──鷹巣ひかり保育園 園長 鳴海 賢昌
  認可されて今年で10年目を迎える保育園である。関西地域の仲間と交流することで育てられた部分が大きかった。対等平等の関係でみんなで保育を考え、特定な人によって左右されることのない、自治能力の優れた、気持ちの良い関西地域の集団が、私たちを、子どもたちを励まし元気づけてくれたように思う。
  この子の入園当初は、生活リズムの乱れがひときわ目立っていた。朝食抜きの生活や、アトピーもひどく、午前中の活動は元気がなく、ボーッと一人遊びをしていることが多かった。年長の前半まで友達関係も持ちにくかったが、保育園での食事や大好きなリズムを一杯しながら身体が育っていったこと。お母さんも大変さを乗り越え頑張る中で、生活リズムも安定し出すなどして、友達関係を初め全般的な力を発揮しだした。特に交流合宿になると目の輝きが違っていた。他園の子どもたちともすぐ友達になり、読み聞かせになると一番前で食い入るように聞いていた姿が印象的だった。身体の育ちと共に、人一倍相手の気持ちを汲み取る優しさも備えながら、けなげに育ってくれた。