2001年2月

6歳2ヵ月の女の子(2年保育)─こばと保育園 園長 錦織政代

  無認可から認可になって21年目の保育園です。平坦だった園庭も今は青々と木が茂り、夏にはあちこち木陰が出来、その下には砂場、竹垣の向こうには子どもたちの大好きな築山で、太陽と水と泥にまみれて毎日楽しく遊んでいます。
  この子は二分脊椎のため、下半身麻痺で感覚もなく、装具を着用しながら2年間保育園にかよいました。日に当たると湿疹が出、体調を崩しやすく年に2〜3回ひきつけをおこしていました。毎日のリズム遊び、雑巾がけ、手押し車の運動をして上半身の力をつけ、雑巾がけは高這いで足を交互に出して進んでいけるようにまでなりました。何でも対等に仲間と同じようにやろうとするこの子の姿に回りの子も刺激を受け、また、親も山登りや合宿など積極的に協力してくれました。この絵は、2泊3日の雪山合宿でみんなと一緒にソリをつなげて何回もすべったことが楽しく、卒園式前日に夕方までかかって色を塗り上げた絵です。普通学級に進ませたいという親の願いと、この子の保育園での成長の姿を見た教育委員会が大きな力添えをしてくれて、車椅子で生活できるように小学校にエレベーターや障害者用トイレなどが設置され、今では、普通学級の中に入り、みんなの中でもどうどうと発言をしたりして、自分を出して生活をしています。