2008年1月



▲6歳6ヵ月の女の子(5年11ヵ月保育)くりのみ保育園
(兵庫県穴粟市山崎町段志水の元43−44  0790−62−7540 園長 川本 鈴子)


 山崎町は人口2万7千人で山や田に囲まれた自然豊かな町です。当園は1989年に開園し、95年60名定員の認可園になりました。〈しっかりした身体をつくること〉〈仲間の中でやさしい心を育てること〉を保育の柱にしています。今年は、気持ちよく動いて生活できるようにホールを広げ、2階の増築をしました。

 年長組では〈しなやかな身体を育てる土台のリズムの見直し〉〈様々なことに挑戦し、楽しくなるまで繰り返す〉〈朝・夕の雑巾がけ〉を大切にしてきました。

 この子は7ヵ月で入園。祖父母、両親、年の離れた兄と大人が多い家庭の中で育ちました。家族は保育園にも協力的でした。小さい時から、兄達の塾や学校の送迎等に振り回され、表情も堅くこだわりの強いところがありましたが、よく食べよく動き、みんなの中で中心になって遊ぶ子でした。年長になり、文字に興味を持ちはじめた頃より、自分から遊ぼうとしない姿がでてきました。“すてきになりたいと思っている子どもの思いを信じきること”の大切さを職員集団で確認し、クラスの単位だけでなく年長組をみんなで責任を持ち保育をしようと話し合いを重ねました。

 そんな中で、この子が側転の足が伸びずに悩んだ時も、友だちに励まされ何回も挑戦し、素敵になり「やったらできるんやで」と友だちにもやさしく伝えられる子になりました。卒園期には、すべての子が、自分らしく友だちの中で助け合いながら、「もっと素敵になりたい」と意欲的に取り組み卒園していきました。

 この絵は「どうしても絵を描きたい」「卒園式までに仕上げるんや」と朝早く登園し、夕方まで思いを込めて仕上げた『森は生きている』のお話の絵です。このひたむきな姿に、大人は大きな力をもらいました。