2008年2月



▲6歳7ヵ月の男の子(6年保育)まつぼっくり保育園
(茨城県つくば市大角豆2012−668  029−851−7589 園長 佐藤 せつ子)


 まつぼっくり保育園は、無認可園5年、認可園25年を合せて今年30年目になる保育園です。つくば市の研究学園都市の南に位置し、05年につくばエキスプレスが開通。道路拡張工事、店舗やマンションの増改築など、更なる都市化の波に子どもの自然の遊び場が少なくなり、私たちは戸惑いを感じています。

 子どもたちは、檜の床のホールでリズム遊びを行ったり、園バスを利用しながら自然を探して散歩に出かけたり、園庭では水や砂遊びをしてきました。園舎の裏には畑を借りて、春は種まきや苗植えをし、秋に実る野菜で収穫祭を開きます。また、畑に息づく幼虫を見つけ成虫に育てることなども楽しんできました。

 この絵を描いた子は、お話することが大好きで、その中身を仲間と一緒にごっこ遊びに発展させるなど発想豊かで、特に年長クラスでは、折り紙や粘土などで自由に表現することが大好きになりました。また、虫取り名人で、虫探しに明け暮れた夏の日々を過ごしたり、こま廻しでは「『てんぐのこま』のいっちょうさんになる!」と意欲的に取り組む姿がありました。後半になっての読み聞かせでは、本の主人公と同じ気持ちになって本気で怒り、涙を流し、心からホッとしたりなど、その思いを絵に自由に描けるようになりました。この絵は、卒園間近『錦の中の仙女』のお話を聞いたあと、主人公のロロが炎の山の中を歯をくいしばって石の馬に乗って走る場面に共感し、一気に描いた絵です。

 共同保育園を土台としてスタートした25年目の園舎は、修繕など新たな保育環境作りが今後の課題にもなっています。しかし、私たちは力強い父母のパワーと共に、子どもたちの生き生きとした声が響き渡る環境をこれからも守りつづけていきたいと思っています。