2008年5月



   
▲2歳6ヵ月 入園して初めて描いた絵   ▲3歳4ヵ月「○○ あった」「○○している」と伝えたい言葉がふえてきた頃   ▲3歳10ヵ月 友だちとのおいかけっこが大好きになってきた

   
▲4歳10ヵ月 毎日、山の遊歩道でしいの実をいっぱいあつめていた頃   ▲5歳8ヵ月 もみの木保育園の交流合宿でポニーに乗ったところを描いた    

▲6歳の男の子(3年6ヵ月保育)にこにこ保育園
(広島県広島市南区元宇品町8−4  082−254−6906 園長 小松 保子)


 21年目を迎える認可外保育園です。広島市内の南に位置し国有林の自然が残っている場所に古い民家を借りた小さな保育園。園庭が狭いので、近くの広場や畑や海へ散歩に出かけ、春には野いちごを採ったり、秋にはしいの実を拾ったりしています。豊かな体験をし、遊び育つ子ども時代を大切にしたいと、移転も考えながら保護者と職員と力を合わせて運営しています。

 この子は2歳2ヵ月の時に小児科で「言葉が遅く、人と関わることが難しい」と言われ、療育センターへ通い始め、4歳で自閉症と診断されました。2歳6ヵ月の入所時は、まだ自発語が少なく、しばらくは1日中泣く日が続きました。生活が少しずつ落ち着いてきても担任から一時も離れることができず、話し始めは絵本の繰り返しや機械の音を真似た言葉だけでした。友達との関わりが広がり始めた3歳の時は、名前を呼んだり真似っこして遊び友達大好きになっていきました。4歳後半頃には人見知りや場所・環境が変わるとパニックになることはなくなっていきました。年長になり世界を広げようと交流保育に参加すると、初めてのことへの不安から「いつ帰る?」と繰り返し泣いていました。できることは待ち、ゆっくりでも自分ですることを大切にしようと親と職員集団で確認しました。秋頃には初めてのことにもひるまず挑戦する姿に変わっていき、3月の卒園合宿は生き生きした笑顔でリズム遊びを楽しんでいました。雑巾がけやその他の仕事も欠かさず続けている姿や、一つひとつ時間がかかっても何度も繰り返し努力する姿を、小さい子も応援し、またその子の姿にみんなが励まされた一年間でした。

 この絵は2月の交流保育で初めて跳び箱に挑戦したときのことを描きました。