2008年6月



▲6歳9ヵ月の女の子(6年6ヵ月保育)こばと保育園
(福岡市南区桧原5−32−13  092−565−2847 園長 福井 英二)


 無認可の共同保育所として29年間、4回の園舎移転を親と保育者の二人三脚で乗り越えてきました。九州は無認可保育所への補助が極めて少なく、各県で手つなぎをしながら運動を広げてきました。こばと共同保育所は【こばとを支える会】【こばとの認可を進める会】を組織し、福岡県の中心として、無認可保育所の子どもたちにも行政の光があたるように粘り強く運動してきました。今年の年長さんのクラスの親たちは、その運動の中心にすわって、4年前待望の認可を実現しました。

 この子は3ヵ月で入所し、12人のクラスの中で1番保育歴が長い子です。3人兄弟のまん中で、おしゃべりだけど体力がなく何事にも自信が持てず、自分の気持ちをストレートに出せない子でした。しかし、毎日のリズム遊びや散歩や泥んこ遊び、野菜たっぷりの食事などの生活の中で、体力も徐々についてきました。年長期になると九州での交流合宿のたびにいろんな子のリズムの動きを見て、「あの子みたいに素敵になりたい」とコツコツと取り組み、できないことにも正面から挑戦してきました。両親は忙しい仕事でしたが、「クラスのみんなで育ちあっていこう」と積極的に他の親たちにも働きかけ、子どもどうしの関係もどんどん深まってきました。

 3月の終わりには竹馬で山登りに挑戦し、仲間を励ましつつ自分もやりぬく素敵な子に成長しました。卒園期にはいろんなお話を集中して聞き、あふれるように絵を何枚も描いていました。

 この絵は『黄金のかもしか』のお話の中で、王様から追われているかもしかを守って、逃がしてあげる場面をとても気に入って描いたものです。