2009年8月



▲6歳2ヵ月の男の子(5年7ヵ月保育) 恵の実共同保育園
(愛知県豊川市上長山町東原97−1 0533−93−6620 園長 尾崎恵理子)


 1人ぼっちの子育てを無くそうと、母親たちの自主保育から始まった無認可保育園として16年目になりました。“どの子も育つ”子育ての輪をさらに広げていこうと認可を目指しています。

 保育士は、子どもの絵で保育を評価されるようで、子どもに絵を描く機会を積極的にもたないでいました。しかし昨年9月、東海地区学習会で、“絵は子どものありのままの表現でありどんな絵も素晴らしい”ということを学び、もう一度子どもの絵に向き合ってみようと、職員みんなで保育を見なおしました。1ヵ月後職員会議で絵を並べたとき、どのクラスの子どもも生き生きと自信に満ちた絵に関わっていることに、一同驚かされました。そして、どの子も「絵を描きたい!」「もっと描く!」と言うのです。“子どもにとって描くことは発達要求である”“子どもの絵を尊重することは子どもを尊重すること”と学ばされました。

 この子は生後9ヵ月で入園。全身血だらけで入院する程のひどいアトピーでしたが、朝の散歩、水・泥んこあそび、野菜をもりもり食べ、ぐっすり眠る生活の中で驚くほどの改善をみせました。

 東海地区5園での14回もの年長交流や合宿を積み重ね、特に今年は卒園期に2回にわたる合同リズム交流合宿を行いました。保育士たちは6歳を迎えた子どもたちが、友達と支えあいながら高まりあっていくことがこんなにも喜びになるのだということを、みんなで確認できました。そんな大人たちの中で、こま回しや側転を友達同士で教え合ったり、「ぼくは昨日とび箱を跳べたけど、確実に跳べるようになりたいから今日もとび箱やりたい」と言い、子どもたちは大きく変わっていきました。小さい子に優しく、労働をいとわない真っ直ぐな心をもったこの子は、絵本の読み聞かせにも集中し、お話の絵をたくさん描きました。