2010年 2月

▲6歳3ヵ月の女の子(4年7ヵ月保育) 虹の子保育園
(島根県松江市西津田9−2−40 TEL:0852−21−5126 園長 井上 薫)
 病院内保育園からはじまり、無認可共同保育園を経て1999年に認可され10年目になります。開園以来28年“さくら・さくらんぼ保育”に学び、保育実践交流会に参加して今日に至ります。園舎は市街地に近く、住宅が密集していますが、裏手の山は、四季折々の恵みを与えてくれ、斜面のぼり、泥すべり台、散歩、木登り、基地づくりなど、子どもたちの恰好の遊び場にもなっています。歩き始めの幼い子どもたちも起伏のある山道を歩くことでしっかりした足腰を育てています。
  今年の年長児は障がいのある子を含め12人でした。小さい頃から毎日のように取っ組み合いのケンカやトラブルが絶えませんでした。しかし、保育者は個々の個性を丸ごと受け止め、認めることを大切にしてきました。仲間と共に意欲的に遊び、色々な体験をしていくうちに、障がいのある子も含め社会性が育ち、一人ひとりの個性を認め合える集団になっていきました。
  この子は家庭の問題で深く傷つき、人に対して心を閉ざし、動けなくなる場面が続いていました。しかし保育園の子どもたち・職員・親たちの輪の中で励まされ、少しずつ心がやわらかくなってきました。そして、交流保育、合宿が大好きになり、山登り、沢登り、スキー合宿と多くの経験を心から楽しみ、友達をたくさんつくることができました。出会った多くの人々の中で自信を取り戻し、誇らしく卒園していきました。
  この絵は、逆境にあっても小人にパンを分けてあげる娘の優しさに心打たれ、保育最終日に一気に描き上げた『森の中の三人の小人』のお話です。