無認可37年を経て、2011年に定員60人の認可保育園となりました。2024年度の年長児は11人です。
この絵の子は4人兄妹の末っ子です。活発でクラスを引っ張るリーダー的存在でしたが、何でも1番にこだわったり、仲間の意見を受け入れられないところもありました。両親は聴覚に障がいがあり、会話は手話が中心です。4歳の頃、両親に話しかける友だちに「もっと耳が聞こえなくなる」と止めたり、手話を真似ると「ふざけないで」と気が張る姿もありました。
年長の後半、父親が保育士体験に来ると「お父さんに絵本を読んでもらう」と担任に伝えてきて、選んだお話は『スーホの白い馬』でした。手話と発語を交えながら読む姿に、前のめりになって手や口元をジッと見る子どもたち。物語の終盤、この子は本を読む父親の姿を涙を流しながら見つめていました。「スーホの話が悲しくて泣いちゃった」と言っていましたが、後日担任に「お父さんが頑張って読んでくれたから泣いたんだ」と教えてくれました。“この仲間なら大丈夫”と思えたからお父さんに絵本を読んでもらったのだと思い、この子も含めた仲間の成長を感じました。
この事があってから、困っている友だちに手を差し伸べるなど仲間関係にも変化が見られ、それまで小さく描く事が多かった絵も和紙一面に描きこむようになりました。
この絵は、自園の合宿で雪の降る森の中、キャンプファイヤーをして『森は生きている』の世界をみんなで楽しんでいる場面です。
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