2000年4月

6歳10カ月の男の子(4年4カ月保育)──遊びの家共同保育園 園長 佐久間容子 
  「障害を持つ子も持たない子も、おとなも子どもも共に育ち合う保育園」づくりを始めて2000年で10年目になる。みかん畑の山々に囲まれた、農家を改築した保育園です。
  私たちは、水や土、太陽、虫や動物、そして広い空間となかま、これらは子どもが人間として育っていくために最も大切なものであると考えています。水遊び、砂・どろ遊び、自然の中での毎日の散歩、手先から足先まで使いこなすリズム遊びや当番活動などを通して、人間の土台づくりとなる乳幼児期に、しなやかな身体と心をつくる保育をめざしています。
  この絵は、学童さんと年長さんが春休みに、アヒル、ガチョウ、カモが泳ぐ野岳湖(大村市)に遊んだ時の様子を描いています。保育園に帰ってから、小さい子どもたちや職員に「おもしろかったよ」と報告したすぐ後に描いた絵です。彼は、アトピーや身体のかたさなど気になることは沢山ありましたが、両親は、食事の改善や生活リズムを整えることを大切に取り組み、焦らず彼を見守ってくれました。とても不器用な子どもでしたが、年長後半のコマ、マリ、縄とび、側転などの遊びでは、やりきるまで努力し、いつのまにかそれらが得意になっていました。両親は「子どもたちも、おとなたちも、毎日行きたくてたまらない保育園にしたい」と言って、無認可保育園の困難な運営にも力をそそいでくれています。