2000年10月

6歳4ヵ月の男の子(5年保育)──おひさま保育園 園長 佐藤美津子
  幼年期、食が細く体力も無かった彼には、自然の中で友だちと笑いころげ、小動物を追いかけ十分遊ばせた。
  年長児は造形(工作・粘土)やお話しが好きな彼と、朗らかで体を動かすことの好きな違ったタイプの2人で、保母は彼らの思いに寄り添いながら自信をつけさせることを大切にする一方、増々悪化する子ども環境を憂えるがために、観劇、お話し、歌、遊びなどの文化面についても吟味し与えてきた。
  後半は竹の長椅子作り、食事作りなど意欲的な姿がみられ、みんなから喜ばれて「年長児の誇り」が持てた。又、他園交流でも黒姫山のそり合宿、長時間の石巻山縦走の体験で達成感を味わう。
  2人は「自分はすばらしい」と、「でも友がいる生活はもっと楽しい」と、お互いの存在がなくてはならない程、魅かれるようになった。
  卒園期、体力もつけ手仕事も緻密となった彼は、体験したことや物語のお話しを自由自在に描き楽しんだ。
  小さな保育園に大きな歓びの歌声と、熱い拍手がなり響く中、2人は自信に満ちあふれ堂々と証書を手に巣立っていった。(絵はスーホの白い馬を描いた)