2007年4月



▲6歳10ヵ月の男の子(5年4ヵ月保育)たんぽぽ保育園
(広島県福山市日吉台2−11−5 電話:084−943−1052 園長:藤井 鈴子)


 共同保育園で4年、後に認可園となって27年になります。新興住宅地で保育園の東側に斜面があり、その向こう には起伏のある野山に恵まれています。開園からの多額の借入金返済活動もここ10年は軽減され、職員は保育内容 の充実に力を注げるようになりました。関西地域の交流保育から多くを学び学んだことを一つずつ積み上げ、「そ れぞれの年齢を生ききる保育を」と取り組んでいます。特に子どものひ弱さを克服するため東側の斜面を利用して います。年長の保育ではどの子も楽しく遊び込めるよう心がけ、身体を作るリズム遊びを丁寧に取り組んできまし た。

 この子は1歳6ヵ月で入園。中耳炎、急性ケトン尿症、気管支喘息など3歳まではよく病気をし、身体もかたく 自分を出すことも少ない子でした。そのため3歳過ぎから朝の登園を早くしてもらうようお願いし、野山の散歩・ 泥んこ・鬼ごっこ・セミとり・丸ドッジボールと動いて走って夢中で遊び込めるようになりました。年長になって からも、新しい課題に意欲的に取り組んでいましたが、失敗する姿を人に見られる事を嫌がっていました。ところ が秋の関西の交流保育で、それまで出来ていた竹のぼりに登れず、その時大勢の仲間から励ましの大声援が起こり 泣きながらもやり切りました。この経験からありのままの自分が出せるようになり、友達にも自分の思いが言え喧 嘩も出来るようになりました。この子の変化は仲間にも大きな影響を与え、誰とでも対等に話し合ったり喧嘩した りする集団になりました。絵も「描きたい」と体験した事のイメージを広げて何枚も描くようになり、この絵は、 海や山で楽しく遊んだことを集中して一気に描きました。